今回からは、本年四月に施行される改正民法の解説をしていきたいと思います。
今日は連帯保証人あるいは保証人の補償の極度額についてお話したいと思います。
まず、連帯保証人と保証人は明らかに責任の度合いが違い、この説明で1回分の文章になりますので、後日詳しく解説いたします。
賃貸不動産の場合、求められる(どの契約でもそうですけど)のは「連帯保証人」です。
今まではご親族(特に親御様)の方に連帯保証人になっていただいておりました。今後もそうでしょうけれど。ただ、今までは極度額はなく、極端に言いますと「無限保証」という形でした。
しかし、連絡もなくいきなりお家賃が数百万円溜まっているので、近日中に支払ってくださいと言っても、連帯保証人からすると正に青天の霹靂です。
滞納賃料が数百万円って大げさな。とお思いかもしれませんが、これがけっこう現実にあります。特に大家さんがとても優しい方の場合、こういったことが起こります。
正直、お家賃は生活費の中でもかなりのウェイトを占める出費です。
私も若いころ、今月分の家賃がなけりゃ生活が楽なのに。と思うことが多々ありました。
最初は賃借人(お部屋を借りている方)も、支払わなければと思っていますが、催促がなければ、この次には2回分払おうとか思っているのですが、それがズルズルと溜まっていくのです。
その繰り返しで、ものすごく大きな滞納となってしまうわけです。
大家さんも催促すればいいのに、だんだんそれもしづらくなってきて、大きな滞納となってから弊社に駆け込んでこられるという次第です。
滞納賃料の督促は、弊社が代理契約か転貸借契約をしていないと弁護士法に抵触する可能性がありますので、おいそれと督促するわけにはいきません。額の大小を問わずです。
話がそれました。
連帯保証人も多額のお金を用意すると言っても、なかなか難しいですし、多額の連帯保証をすることで連帯保証人自体が自己破産に追い込まれてしまう可能性もあります。
そこで、極度額の設定となります。
あらかじめ、保証をする額を決めてしまえば、連帯保証人も腹が決まるでしょうし、先ほどの自己破産のような二次被害を受けることもなくなるということです。
ただ、今回の法改正では極度額について元本の何倍までとか賃料の何ヶ月分までという目安は決められていないので、今後裁判が起こされ、その判例を待たなければなりません。
弁護士によっても6ヶ月が妥当だという見解を示される方もいらっしゃいますし、いやいや1年分だと仰られる方もいらっしゃいます。
しかしながら、更新契約も含めて四月以降は賃貸借契約を締結するには極度額を設定しなければなりません。
それでは、設定しなければどのようになるかといいますと、その保証契約は無効になります。つまり最初からなかったこととなります。(無効と取り消しは法律的には効果が違います。これも機会があれば解説したいと思います。)
不動産業者としてはそのようなことが無いように、気を付けなければならないのは当然のこと、お子様や親御様から賃貸借契約の連帯保証人を求められた際にも気を付けていただければと思います。
不動産のご契約のご相談は株式会社あっぷるまで。
文責:姫野直之
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