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不動産のプロはなぜサブリース物件を買わないのか


先日、知人の息子さんよりご相談を受けたのですが、新築物件を購入して、不動産販売会社がサブリースし、一棟管理をするというビジネスモデルの物件を購入してしまったというもの。


サブリース原転貸借契約書、売買契約書、重要事項説明書などすべての書類を拝見させていただきました。


具体的に数字で示しますと、物件価格は2410万円のワンルームマンション。賃料は8万2千円。サブリースの手数料、管理費、修繕積立金などを差し引くと、手元に入るのが約6万5千円程度。2400万円を投資用ローンを組んで、毎月の返済が7万5千円程度。つまり毎月約1万円の補填が必要ということです。


息子さんが業者から説明されたのは、「毎月1万円で35年後にはマンションがあなたのものになる。」そうです。


しかし、修繕積立金は7年後、10年後、15年後と高くなり、毎月1万円の補填ではすみません。また、購入した翌年には不動産取得税(固定資産評価額の3%。約17万円)と毎年固定資産税と都市計画税がかかります。


賃借人の入れ替え時には、経年変化とグレードアップのリフォーム代はオーナーである息子さんが支払わなければなりません。


単純に利回りを考えても、

65(千円)×12(ヶ月)=780(千円)

780(千円)÷24、100(千円)=3.24%


これに、投資用ローンの利息(1.65%)を差し引くと、1.59%。リフォーム代や住宅設備の修繕費を考慮したり、固定資産税・都市計画税を考えると、ほとんど利回りがない物件になります。


なぜ、こうなるかと申しますと、第一に販売価格が高い。いくら新築のワンルームマンションと言えども、8万そこそこしか賃料がとれない物件に2410万円で購入するるのは無謀すぎというか、業者の利益がかなり入っていると思われます。


購入時の修繕積立金は千何某円と安いのですが、7年後以降は3倍以上になり、以後収益を圧迫するように上がっていきます。


これらが、利回りを悪くしている原因ですが、我々不動産のプロがサブリース物件を買わないのは、たとえ素人でもオーナーになってしまうと、サブリース業者より立場が弱くなるからです。


借地借家法は借主の保護を図った法律です。借主が業者であるか否かを問わずに借主が強くなっています。


サブリース契約はオーナー側から正当事由なく契約解除はできず、契約満了しても自動更新となることが多いです。

また期間内の契約解除には違約金が発生し、その違約金はかなりの高額です。


今回のようにサブリース業者が、物件の一棟管理を行う場合、サブリース契約解除をして、自ら管理をするとしても、リフォーム時に指定業者を使えとか、そうでなくても自らが選んだリフォーム業者に対して規制をかけるという意地悪ができます。


つまり進むも地獄、退くも地獄で、この新築物件を売却しても、1000万円は確保できないと思います。


この相談者の方には、今後十数年このままで行くしかないでしょう。物件の売却価額と投資用ローンの残高がとんとんか損切りしてもかまわないと腹が決められる差額になったら、売却しましょうとアドバイスさせていただきました。

また、それほど年収が多い方ではないので、他の金融業者から借り入れをしてローンを払うことがないようご注意を申し上げ、最終的にローンの支払いがきつくなったなら、弁護士の先生と相談し、物件を任意売却し、個人再生か自己破産で処理するしかないと思っております。


今回のご相談は知人の息子さんでよく知っている方ですので、とても胸の痛いご相談でした。


以上実例を用いましたが、不動産のプロは絶対にサブリース物件には手を出しません。特に今回のように新築からのサブリース物件は、投資として考えますとまったく勝ち目がありません。


サブリースというと、「家賃保証」という言葉が最大のメリットですが、入居者が決まらなければ、どんどん賃料を下げてきますし、賃料を下げるのを拒めば、簡単に供託をしてきます。サブリースのオーナー側には借地借家法があるので、まったく勝ち目がありません。




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